株式会社SEA-NAでは、デジタルサイネージを保有しており、小樽市内の各地に点在させ、企業PRや観光案内等に利用している。このデジタルサイネージにおけるコンテンツの強化の一貫として、私たちは小樽商大の学生に募集をかけ、アイディアコンテストを開催した。その制作例として、私たちが実際に撮影に行き、動画として完成させ、コンテンツの放送を行った。
背景として、デジタルサイネージの強みは、フレキシブルなコンテンツ開発が可能という一面を持っているが、一方、弱みとしては、情報の鮮度の重要さが顕著に現れる。そうした特徴を持つ媒体を利用していく中で、弊社は、小樽商科大学の学生による、学生起業であるという強みを活かし、小樽商科大学の学生からも、コンテンツ提供の仕組みを取り入れる事による、循環システムの構築を目指した。さらに、そうしたシステムを構築するにあたって、模範となる「学生らしい」動画の撮影を考えた。
新規性という点においては、ウェアラブルカメラを使用し、手足や乗り物に装着することで、新たな目線で動画の撮影を行うというアイディアに辿り着き、クオリティの向上に努めた。
準備として、学生にとっての模範作を制作するという点から、撮影の方向性を、小樽市内で撮影する事で統一し、より多くの地域を効率的に撮影するために、チームを形成し、状況と撮影ポイントについて、絵コンテをあらかじめ用意することで対応した。
結果として、小樽市内の公園と海岸を利用した動画を作成し、またその中で、アイディアコンテストへの応募の呼びかけを取り入れ、小樽商科大学内のデジタルサイネージにて、放映した。
考察として、小樽市は観光業が発展し、ご当地ガイドブック等、数多くの書籍やメディアで紹介されているが、一方で、学生目線で小樽市を見つめ直し、パンフレットやガイドブックには掲載されていないスポットで撮影した。また、狙いとして、学生目線で探した隠れた小樽市のスポットを紹介することは、同時に、小樽市の地域活性化に繋がると考察し、念頭に置きながら計画を練った。
今後の狙いとして、今回の経験を活かし、デジタルサイネージのコンテンツ用の動画等、制作物への狙いを複数持たせ、コンテンツの価値を相乗的に向上させるような制作活動を進めていくことが、課題である。 (著者 加藤裕樹)